自動販売機を導入するなら、できるだけ売上を伸ばしたいと考える方も多いでしょう。売上を左右する要因はいくつかありますが、とくに大切なのが設置場所です。そこで、今回は自動販売機を設置する前に知っておきたい法律や条例、売上を伸ばすために効果的な立地の選び方について詳しく解説します。
自動販売機はどこでも設置してよいわけではない
自動販売機は私たちの生活のさまざまな場所で見かける身近な存在です。しかし、実はどこにでも自由に設置できるわけではありません。自動販売機の導入を検討する際は、まず据え付けられない場所を把握することが大切です。まず、自動販売機を置くための十分なスペースがない場合は設置できません。自動販売機はサイズが大きく、商品の補充や金銭管理のための扉を開けるスペースも確保しなければならないからです。また、私有地ではない場所にも設置できません。自動販売機は基本的に、配置する土地の所有権が必要となります。さらに、たとえ敷地内であっても、道路交通法により、道路に少しでもはみ出してはいけないと定められています。
くわえて、土地の地目(用途区分)が適切ではない場合も自動販売機の設置が難しくなるでしょう。土地には用途が定められており、宅地であれば問題なく設置できる場合が多いですが、ほかの地目では複雑な手続きが必要になる場合があります。
そして、設置面の強度や傾斜も重要な要素です。200kg以上の重さがある自動販売機を安全に設置するためには、設置面の強度と傾斜が適切でなければなりません。傾斜が1度以上ある場所や強度が不足している場所は、災害時の危険性や故障の原因になるため設置できないでしょう。
また、周囲の景観に配慮が必要な場所もあります。歴史的な地区や観光地では、景観保護のために設置が制限されたり、本体のデザインや色に配慮が必要になったりする場合があります。さらに、自動販売機を動かすためには常時電力を供給できる単独コンセントが必要です。
電源が確保できない場所では、機械が稼働できず、自動販売機の配置が難しくなります。自動販売機の導入を検討している場所が、設置できない条件に当てはまらないか、事前にしっかりと確認しましょう。
設置する前に知っておきたい条例や規則とは
自動販売機を設置するにあたって、法律や規則が関わる場合があります。とくに知っておくべきルールは、道路交通法、自動販売機据付基準、食品衛生法、地方自治体の条例、そして食品の自動販売機に係る施設基準ガイドラインの5つです。まず、道路交通法では、歩行者や車両の通行を妨げない場所に自動販売機を設置することが求められています。基本的に私有地であれば問題ありませんが、自動販売機の一部が私有地から道路にはみ出すと設置できません。次に、自動販売機据付基準は、安全性を考慮した基準を定めています。具体的には、アンカーや固定金具を配置できるコンクリート面であることや設置後の自動販売機の傾きが1度以内であることなどが含まれます。自動販売機の安全性確保は重要なので、注意しましょう。また、食品衛生法は、食品を扱う自動販売機すべてに適用されます。商品の保管方法や清掃、消毒について定められているため、地域の管轄保健所で確認することが大切です。
さらに、地方自治体の条例も確認が必要です。地域によっては、設置場所や営業時間、設置台数に独自のルールを設けている場合があります。自動販売機の設置自体を禁止しているケースもあるため、事前に確認しましょう。
最後に、食品の自動販売機に係る施設基準ガイドラインが適用される場合があります。食品の自動販売機に係る施設基準ガイドラインは、飲食店営業、喫茶店営業、乳類販売業、および氷雪製造業に該当する自動販売機向けに定められており、設置場所が清潔で衛生管理が十分行き届いていることや適切な広さを有していることなどが含まれています。
ルールを事前に確認せずに設置してしまうと契約違反となり、自動販売機の撤去を求められるリスクがあるので、注意しましょう。規則や条例をしっかりと理解し、適切な手続きを踏むことが、自動販売機ビジネスを成功させるための第一歩といえるでしょう。
おすすめの設置場所は?
自動販売機の売上を伸ばすためには、ただ規則を守って設置するだけでなく、戦略的な場所選びが大切です。はじめに大切な要素は、人の往来が多い場所であることです。当然ながら、多くの人が行き交う場所は、購入される機会が増えます。駅の改札付近、バス停の近く、大通り沿いなどは、常に人の流れがあるため、日々の売上を期待できるでしょう。さらに、人の往来が多いだけでなく、どのような人が、どのような目的で通るのかを分析することが重要です。たとえば、オフィス街では、仕事中の休憩時間やランチタイムに利用される場合が多く、缶コーヒーやエナジードリンクがよく売れます。住宅街や公園の近くでは、子どもやファミリー層をターゲットにしたジュースやアイスクリームが人気です。
また、競合の有無も考慮すべき点です。すでに多くの自動販売機やコンビニエンスストアが近くにある場所では、顧客を奪い合うことになり、思ったような売上を上げられない可能性があります。競合が少ない場所や競合と差別化できる商品ラインナップを揃えれば、成功の確率は高まるでしょう。そして、利用シーンを想像することも大切です。
たとえば、スポーツ施設や公園の近くでは、運動後に水分補給をしたいという需要が高まります。運動している方向けに、スポーツドリンクやミネラルウォーターを充実させることで、売上を伸ばすことが可能になるでしょう。また、病院や学校内では、特定の時間帯に多くの人が訪れるため、需要に応じた商品を揃えることが重要です。
具体的なおすすめの場所をあげます。駅の構内や周辺は通勤・通学客など、常に人の流れがあるため、安定した売上が見込めます。オフィスビルや工場内は従業員の休憩時間や残業時の需要が高く、とくに飲料の売上が期待できます。病院やクリニックでは待合時間や見舞客の利用が多く、幅広い層にアピールできるでしょう。
学校や予備校の敷地内では学生の需要が常にあり、ジュースや軽食が人気です。駐車場やガソリンスタンドは車での移動中に利用されやすく、季節に応じた商品が売れやすいです。また、公園やレジャー施設は家族連れや観光客が多く、清涼飲料水やアイスクリームの需要が高まります。さらに、自動販売機を設置する場所の照明や安全性も重要です。夜間でも安心して利用できるような、照明が確保された場所を選ぶと、より利用者の利便性を高められるでしょう。